ナパ市の南American Canyonを震源地とするM6.1(6.0という情報も)の地震が現地時間の8月25日3時20分に起こりました。今のところ亡くなった方はないもようですが、けが人が100人以上出ており、全壊した家が6軒以上、一部が壊れた家は多数あるようです。ナパのTrefethen Family Vineyards(トレフェセン)では古い建物が傾いてしまい、立入禁止になっています。

停電や断水も広範囲で起こっています。

今回の地震の強さを1989年の「ロマ・プリエタ地震」と比較したのが下の図。日本の「震度」とは値が違いますが、概ね6が震度4、8が震度6弱に相当しそうです。


今回の地震は、強さ、広さとも大分違いますが、震源に近いナパ市のあたりでは震度5から6弱程度の揺れがあったものと思われます。

また、ワイナリではボトルやタンクの破損などにより、多くのワインに被害が出ています。今まで報道されている内容を以下にまとめます。

ソノマのSebastiani(セバスティアニーニ)ではタンク14個が破損。スプリンクラーのようにワインをまき散らしたタンクもあったとのことです。

ナパのHess Collection(ヘス・コレクション)では2万ガロンのタンク2つが壊れ、ワインが流れでてしまいました。2013年のカベルネ・ソーヴィニヨン1万5000ケース相当を失ったとのことです。また、60ドルのワイン2000ケースに相当するハイエンドのワインも含まれているとのこと。ワイナリの美術品にもいくつか被害があるようです。

ソノマのB.R.Cohnではワインのおよそ半分を失ったおそれがあるとのこと。主に樽の破損によるものだそうです。

ナパのMattiasson(マティアソン)のSteve Mattiassonは、彼のワインを保管している倉庫にかけつけたところ、樽が散乱している状況だったとのこと。ワインが流れ出ているものはあまりなかったようですが、元の状態に戻すのは相当大変と思われます。

ナパのLagier Meredith(ラギア・メレディス)も倉庫にワインを預けていましたが、見に行ったところ、樽が散乱しているとともに、ワインが流れでたものも多数あったとのこと。かなりの被害があったようです。

震源地に近いナパのカーネロスにあるSaintsbury(セインツベリー)では、これから出荷するワインや樽の被害はほとんどなかったものの、ワイナリに保管しているライブラリワインが400本失われたそうです。貴重な1980年代や90年代のワインがなくなってしまいました。

ナパのSilver Oak(シルバーオーク)では数百本のワインが失われたとのこと。主にテイスティングや内部におけるブレンド用のもので、市販ワインではないようです。

震源地American CanyonにあるCustom Wine Servicesという倉庫では保管している数千ケースのワインのうち、数百ケースが失われたとのこと。影響を受けたワイナリは不明です。

ナパのヨントヴィルにあるDahl Vineyards(ダール)では1万6000ドル相当のピノ・ノワールが入った樽が壊れたとのこと。

同じくヨントヴィルにあるRobert Biale(ロバート・バイアル)ではジンファンデルとサンジョベーゼの樽1つずつが壊れたそうです。

一部を除き、クリティカルな被害にあったところはなさそうですが、今後さらに被害状況は明らかになると思います。わかったものは追記していきます。