コルギン(Colgin)・オーナーのアン・コルギン氏が社長のポール・ロバーツ氏と来日し、セミナー&試飲会が開かれました。



今回の試飲は4種、ヴィンヤード・マネジャーでもあるデイヴィッド・エイブリューの畑カリアド(Cariad)が2011と2005の2ヴィンテージ。自社畑のナンバー・ナイン・エステート(IX Estate)のボルドー系ブレンドが2011と2009の2ヴィンテージです。

以前出席した試飲会(Colginのセミナーで計16万5000円のワインを試飲)では2009年のカリアド、2010年のIX Estate、2009年のIX Estateシラーを試飲しています。このときの記事の最後に、こんなことを書いています。
ただ、5万円を超えるワインを欲しいと思うかどうかには、ワインの出来以上に、そのワイン、そのブランドへの信頼がいると思います。以前試飲したHarlanは類まれな個性を持っていました。Bondもそれぞれすごいと思いました。Colginにそれを感じるかというと、今日の時点ではよく分かりませんでした。おそらく、自分のテイスティング能力が足りないせいだと思います。Cariad、IX Estateの違いは言えても、共通する個性を説明するのは難しいものです。

今回は、せっかくオーナーも来日しているので、コルギンのワインとして表現したいことを聞いてみたところ「ピュアでエレガント」なワインということでした。実際にどうだったか、試飲の感想を見てみましょう。


今回2011年のワインが2つ入っています。ナパとしては異例なほど気温が低く難しいヴィンテージです。実はWine Advocate誌の評価でみるとカリアドが93、ナンバー・ナイン・エステートが92点とコルギンにしては低い点数が付いています。一方、2005年のカリアドはなんと100点、2009年のナンバー・ナイン・エステートと97点と高得点です。

実際試飲してみると2011年は確かにスケールはそれほど大きくなく、現時点ではタンニンも割と強く感じます。しかし、カリアドのブルーベリーっぽさとか、ナンバー・ナイン・エステートの赤系の果実っぽさといった個性はよりはっきりとし、また「ピュアでエレガント」というスタイルの共通性についても少しわかったような気がしました。

また、果実味が落ちて、熟成が少し始まったカリアド2005年には、すごく魅力を感じました。今は変化の過程という感じも少しありますが、もう数年たつと、ものすごいワインになりそうな気がしました。

コルギンのエレガントさは、フランスワインなどを飲んだときのエレガントさとはまた違うような気がします。はかなさではなく、アン・コルギンさんに通じるような、力強いのだけどマッチョではなくしなやかな魅力といったらいいでしょうか。

うまく表現できませんが、そんなことを思ったセミナー&試飲会でした。



実はナパで初めて100点を取ったシラーはコルギンです。