ソノマに拠点を置き、数多くの単一畑ピノ・ノワールを作っているシドゥーリ(Siduri)を、ケンダル・ジャクソン(Kendall-Jackson)グループが買収しました(Kendall-Jackson Owners Buy California Pinot Noir Powerhouse Siduri Wines | News | News & Features | Wine Spectator)。

買収金額は明らかになっていません。シドゥーリのオーナーでワインメーカーだったアダム・リー(Adam Lee)は、今後最低3年間はワインメーカーを続けることになっています。共同オーナーでアダムの妻のダイアナは経営から退きます。

買収には、ブランドのほかワイナリ設備や在庫などを含んでいます。シドゥーリの兄弟ブランドでシラーを専門で手がけるノヴィ(Novy)も含みます。

ケンダル・ジャクソン・グループは近年、ラ・クレマ、ハートフォードなどピノ・ノワールに力を入れています。シドゥーリは、その戦略の一貫と言えるのでしょう。

また、アダム・リーにとってはワイン作りに専念できるというメリットがありますが、記事には正直に「複雑な気持ちだ」と書かれています。

私も少々驚きましたが、買収先としては比較的いい選択肢であるように思います。まず、ケンダル・ジャクソンもソノマを最大の拠点としていること。次に、ヴェリテやロコヤなど、ケンダル・ジャクソン傘下のワイナリは、いいワインを作り続けていること。資本の論理で無理やりワイナリーの方向づけを変えるといったことはなさそうです。