オーストラリアのクイーンズランド大学での研究によると、ピノ・ノワールは3000万年以上前のウイルスから遺伝子を取り込んで進化した形跡があるとのことです(Pinot Noir’s Diversity May Come from a 30 Million-Year-Old Battle with Viruses | News | News & Features | Wine Spectator)。

通常、生物の進化、すなわち遺伝子の変化は雌雄の交配によって起こります。ところが、今回の発見では、遠くはなれた種であるウイルスによって、遺伝子が変化しています。通常の進化というよりも、遺伝子操作による変化に近いそうです。

ウイルスは生物の細胞に寄生して増殖します。寄生された生物がそれを持ちこたえられないと死んでしまいますが、生き残る過程でそのウイルスを自らの遺伝子に取り込んで、傷を塞ぐ役目を果たすそうです。

ブドウは通常、雌雄の交配ではなく、接ぎ木によって増やします。接ぎ木の場合は遺伝子の変化がありません。それでも品種が多様化する理由の1つがここにあるのかもしれないと考えられているようです。