オー・ボン・クリマはサンタ・バーバラの開拓者としても有名です。90年代から日本での人気は高く、フラグシップのピノ・ノワール「イザベル」はなかなか入手できないワインでした。また、IPOBが話題になるよりずっと前からエレガントなワインを作り続けています。

オーナーのジム・クレンデネンは日本びいきで、数えきれないほど日本に来ています。また、長女でワイン名に名前が使われているイザベルさんは、日本のマンガが大好きだそうです。

インタビューは白ワイン3種(2013ミッション・ラベル・シャルドネ、2011ニュイ・ブランシュ、2012ヒルデガード)、ピノ・ノワール3種(2012ミッション・ラベル、2011ノックス・アレキサンダー、2011イザベル)を試飲しながら行いました。

なお、このインタビューのスピンオフとして「オー・ボン・クリマのラベルはなぜ三角形なのか」という記事を書いています。併せてお読みください。

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――最初はミッション・ラベルのシャルドネですね。
ジム:ミッション・ラベルは中川ワイン用に専用で作っているワインです。ドリュー・カタオカさんという墨絵の画家にラベルを描いてもらっています。ブドウはビエン・ナシードです。

――ほかのビエン・ナシードのワインと、ラベル以外にも違いがあるのですか。
ジム:作るときから別々です。ミッション・ラベルでは保存・熟成用の樽は、新樽を使いません。寿司に合うワインです。

――次はヒルデガードですね。
ジム:これはピノ・グリ50%、ピノ・ブラン30%、アリゴテ20%のブレンドです。ピノ・グリとピノ・ブランはビエン・ナシードから、アリゴテはル・ボン・クリマという自社畑のものです。

――白ワインの最後はニュイ・ブランシュです。
ジム:ブドウはビエン・ナシードとル・ボン・クリマが半々です。ビエン・ナシードの分は、すべてディジョン・クローンのシャルドネを使っています。また、ル・ボン・クリマのブドウは繊細さを出しています。

――ニュイ・ブランシュは以前は「新樽200%」などといってカリフォルニア・スタイルのワインでした。今は大分エレガントになった気がします。
ジム:はい。このワインは最初、評論家がオー・ボン・クリマのワインを高く評価しないのに対抗するために、評論家好みのスタイルで作ったのでした。しかし、2000年ころに作り方を変えて、今のスタイルになっています。名前を、ただのニュイ・ブランシュから「ニュイ・ブランシュ・オー・バージュ」と変えたのが、そのときからでした。

――ピノ・ノワールのミッション・ラベルも作り方は違うのですか。
ジム:ピノ・ノワールのミッション・ラベルでは茎を全く入れないで作っています。やや土っぽく、スパイシーなニュアンスのあるワインです。