ベッドロックのモーガン・ピーターソンを迎えたイベントの第3弾記事は、この日、飲んだワインを中心にお届けします。

Under the Wire 2011 Brosseau、Bedrock Campagni Portis White Wine 2014、Bedrock Old Vine Zinfandel 2014、Bedrock Heritage 2011、Bedrock Heritage、Bedrock Monte Rosso Zinfandel2014

このうちUnder the Wireについては「スパークリングワインにもテロワールを!モーガン・ピーターソンの新プロジェクト」で紹介したので、ここではベッドロックのワインを取り上げます。

まずは2014 Heritage White Compagni Portis(コンパーニ・ポルティス) Vineyardは一番若い樹が1954年に植えられたという白ワインでは貴重な古木の畑のワインです。品種はゲヴェルツトラミネールやトルーソー・グリ、リースリングなどが混植されています。収量は2トン/エーカー未満。モーガンは子供の頃から自転車でこの畑の横を通っていたそうですが、ベッドロックでワインを作り始めたのは2008年から。その前に2005年からRavenswoodでワインを作り始めました。それまでは、ゲヴェルツトラミネール以外は使われていなかったそうです。

ベッドロックでは半分はスキンコンタクトなし、半分は除梗しないで醸造しています。このワインにかぎらず、ベッドロックでは基本的に自然酵母しか使っていません。1.8g/L程度の残糖があるといいます。

残糖のためか、なんだかとても優しくて懐かしい味のするワインです。果物で言えばライチや白桃系。癒し系ワイン。

次は2014 Old Vine Zinfandel。4000円台で買えるベッドロックの入門的ワインです。もしベッドロックのワインをまだ飲んだことがないという人はこのワインから飲んでみることをお薦めします。とてもコストパフォーマンスが高いワイン。さまざまな畑のブドウをブレンドしていますが、自社畑のBedorock Vineyardなど素晴らしい畑のブドウが入っています。平均樹齢は81歳。2014年のものは72%はソノマのブドウ。ジンファンデル以外の品種は24%を占めています。新樽12%。澱引きしていません。Ravenswoodのワイン作りとの一番の違いは澱引きしないことだと言います。

ジンファンデルは甘いという印象を持っている人が多いかもしれませんが、このワインは酸がとてもしっかりしています。モーガンによると、コントラコスタのエヴァンジェーロという畑のカリニャンがとてもいい酸のベースになっているとのこと。ジンファンデルらしいプラムの風味に、酸とスパイス。酸がしっかりといっても基本的にはフルボディのワインですから味が薄かったり酸味ばかりが強いのではなく、バランスが取れた強さです。こういうワインを常備しておくといいですね。Wine Advocate誌では90点。

次は2011 Bedrock Heritage。ソノマ・ヴァレーの中心地にあり、Bedrockの自社畑で150年以上の歴史があります。フィロキセラでやられた後、1888~1895年に植え替えられた畑です。モーガンは2004年にこの畑を入手しています。石がごろごろしている畑だそうです。ミネラルとスパイスが特徴とモーガンは言っています。

入手したときは、あまりいい状態の畑ではなかったのですが、肥料を入れるのをやめ、灌漑をやめ、カバークロップを植え、などさまざまな手を入れていい畑になってきたそうです。例えば畑のpHは以前4だったのが今は3.4くらい。pHが下がることによって、ワインの酸もしっかりとするようです。

2011年は涼しい年だったので、この日のワインの中でも、一番味わいが酸味寄りだったワイン。ベッドロックのワインとしても異色なほどエレガントでした。モーガンとしても、この年はいろいろなチャレンジをして作った思い出深いヴィンテージだそうです。

次は同じワインの2014年。

こちらは暖かい年であり、ワインもパワフル。味の複雑さ、それらが高次元でまとまっているのはさすが。個人的にはこの日のワインの中でベストでした。今まで飲んだベッドロックではLorenzo Heritage 2012が一番好きだったのですが、現時点ではBedorock Heritage 2014に軍配を上げたい感じ。ただ、Lorenzo最近飲んでいないので、本当を言うと飲み比べたいところです。例えばリッジのリットン・スプリングスあたりが好きな方にも、ベッドロックはぜひ飲んでみてほしいワインです。

最後は2014 Monte Rosso Vineyard Zinfandel。

Monte Rossoはソノマの古木の畑の中でも代表的なものの1つ。名前の通り、赤土の土壌でナパとソノマの間にあるマヤカマス山のソノマ側にあります。Bedrock Vineyardからは標高が400mくらい違うものの土壌は似ており(Bedrockは石が多いですが)、またMonte Rossoはジンファンデルが98%くらいを占めています。

とても酸が強く、ジンファンデルとは思えないくらい引き締まった味わいのワイン。ブラインドで飲んだらカベルネとかと言ってしまうかも。非常に個性的なジンファンデルです。

DSC01888

ベッドロックのイベント報告、基本的にはこれで終わりですが、これまで紹介しなかった小ネタ質問を、もう1本追加する予定です。