ポール・ラトーの2013年をシラー/グルナッシュを中心に試飲しました。全般に言えることは、とにかく口当たりがよく飲みやすいこと。アルコール度数は15度を超えているのですが、アルコール度数の高いワインにときどき見られる熱っぽさを感じません。また、レストラン出身だからかワイン単体で飲むより、食事と合わせた美味しさを意識しているようにも感じました。

バランスのいいワインというと、IPOBの活動に代表されるように、アルコール度数の低さが条件とされることがありますが、改めて、アルコール度数が高くてもバランスのいいワインはあるのだなと思いました(同じサンタ・バーバラのワインであるBrewer Cliftonなどにも似た印象を受けることがあります)。

ポール・ラトー

・Paul Lato Chardonnay le Souvenir Sierra Madre Vineyard 2013
ハチミツやトロピカルフルーツの控えめなフレーバー。かすかに樽の印象。酸が強い感じはしないのですが、後味の爽やかさは酸によるものなのでしよう。余韻の長いワイン。

・Paul Lato Syrah Cinematique Larner Vineyard 2013
ブルーベリーなどの青系の果実、すみれのような華やかな香りが特徴的。ケモノっぽさなどは感じません。とても美味しいのだけど、この日のラインナップの中ではちょっと埋もれがちだったかも。

・Paul Lato Syrah il Padrino Bien Nacido Vineyard 2013
これは旨い。Larnerと比べると、よりスパイシーで深みがある味わい。それでいてエレガントなのが凄いワイン。個人的にはこの日のトップかも。

・Paul Lato Grenache Bien Nacido Vineyard 2013
第一印象は同じビエン・ナシードのシラーに似ていましたが、飲み比べてみると、こちらの方がより明るい印象のワイン。シラーは焼き鳥のタレや蒲焼きに合わせたい感じがしましたが、こちらはもう少し軽いものに合わせたい感じでした。

・Paul Lato Syrah/Grenache Kokoro 2013
ポール・ラトーがワインライフ株式会社の杉本さんの依頼で作るブレンドものが『心』。当初のシャルドネ、ピノ・ノワールに加えてシラー/グルナッシュがラインナップに加わっています。
この日のワインの中では一番スパイシーな感じ。微かな苦味も感じます。悪い印象ではなく、食事に合わせるにはむしろ好印象。先日みたマスターオブワインになった大橋健一さんの番組で、和食には苦味があり、ちょっと苦味があるワインが合うと言っていたのを思い出しました。

オマケ Says Farm Merlot 2014
富山の氷見で作られているメルローです。きれいに作ってあり、おしろいのようなフレーバーが印象的。凝縮感に欠けるのは天候のせいなのか、樹齢によるものなのか。今後に期待したいワインでした。

さて、タイトルで「危険なほどスルスル飲める」と書きましたが、実際この日は途中で寝落ちしてしまいました。シラーとグルナッシュの違いや、グルナッシュ間の比較、シラー間の比較など、いろいろ試しているうちに飲み過ぎてしまったようです。危ない危ない。いやほんと、口当たりのいいワインなのです。