バランス追求派のワイナリーグループ「IPOB」(In Pursuit of Balance)が2016年内で活動を終了することになりました。創設者であるラジャ・パー(Rajat Parr、サンディ、ドメーヌ・ドゥ・ラ・コート)とジャスミン・ハーシュ(Jasmine Hirsch、ハーシュ・ヴィンヤーズ)が発表しました(In Pursuit of Balance to Cease Operations at the End of 2016)。

IPOBは2011年に結成されました。いわゆるパーカニゼーションされたような濃くてパワフルなワインへのアンチテーゼとして、アルコール度数が低く、食事に合わせやすいワインを作ることを提唱し、賛同するワイナリーを集めました。参加を希望するワイナリーは年に1回、サンプルを提出し、IPOBだと認められたワイナリーだけが参加できるという形でグループを運営してきました。

また、サンフランシスコを始めとして各地でテイスティング・イベントやセミナーを開催してカリフォルニアにおけるバランス追求派の動きをPRしてきました。日本では2015年の春に大阪と東京でセミナーとテイスティング・イベントを開いています。また、今年は初めて欧州(ロンドン)でセミナーとテイスティング・イベントを開きました。

ジャスミン・ハーシュは、「IPOBができるまでは、バランスについて人が語ることはほとんどなかった。我々は皆が公の場でバランスについて議論するようになるといったことを達成した」とIPOBの活動をやめる理由を説明しています。

なんだか今やめてしまうのはもったいないし、まだまだ啓蒙活動は必要な気がしますが…。

最後の公の活動としては、11月にサンフランシスコでテイスティング・イベントを開催します。

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以下は昨年の東京での写真からの抜粋です。
IPOBセミナー


テイスティング会場

ジャスミン・ハーシュさんへのインタビュー