ナパ2日めの午前はプリチャードヒルにあるオーヴィッド(Ovid)の見学です。実は今回のツアーで、行きたいところとして、プリチャードヒルをリクエストしており、その願いがかなったのです。

プリチャードヒルは、名前の使用権を持っているシャペレーに始まり、コルギンやブライアント、コンティニュアム、デビッド・アーサーなどそうそうたるワイナリーがある地域です。しかし、一般の客に門戸を開いているワイナリーとなるとなかなかありません。貴重な機会なのです。

レイク・ヘネシーの脇を通り、山道を上がっていきます。レイク・ヘネシーはナパの重要な貯水池。旱魃のひどかった昨年はかなり干上がったそうですが、今年はまだ水がしっかりとあります。
レイク・ヘネシー

オーヴィッドに到着です。
オーヴィッド

できのいい年にしか作らないというカベルネ・フランのHexameter 2012を試飲しました。
Ovid Hexameter

テラスからはナパ・ヴァレーの絶景が見えます。
Ovidからサン・パブロ・ベイ方面を望んで

畑はストライプ状に品種が分けて植えられています。カベルネ・フランは緑色のところ。
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プリチャードヒルの特徴の一つが、火山性の石がたくさんあること。Ovidを作るときも1万5000個もの石を取り除いたそうです。石の山がヴァレーの向かい側からも分かったとのこと。そういえば以前コルギンに話を聞いたときも石が大変だった話をしていました。

今でも畑に結構石がゴロゴロしています。
プリチャードヒルの石

なお、畑を作ったのは有名なデビッド・エイブリューです。

石の層の上に薄い表土の層があります。ブドウにとっては水を得るのもなかなか困難なところです。そのため、ブドウの木は比較的小さめに剪定し、木と木の間隔も狭めになっています。1エーカーあたり2200本の木があるとのこと。剪定作業がかなり大変そうな畑で、手間暇かけて作っていることがよくわかります。

Ovidの畑

暑い日だったので、水に加えて日傘も用意されていました。ありがたや。
水と日傘

いろいろな技術も使っています。これは樹の中を流れる水の量の測定に使っている機械の一部。このデータを使って必要最低限の灌漑をするようにしています。
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畑の何ヶ所かにあるウェザーステーション。気温や雨量などを15分に1回測定して伝えています。
ウェザーステーション

栽培はオーガニックで行っています。これは害獣を退治してくれるふくろうの巣箱。このほか鷹なども住んでいます。
ふくろうの巣箱

ワインはこのほか2015年のカベルネ・フランをバレル・サンプルでいただきました。まだ1年も経っていないワインですが、もうこれだけで売ってもおかしくないほどしっかりした味わい。ただし、今回は全部ブレンドに使うことになりそうだそうです。

案内してくれたオーナーのジャネット・パガーノさんとアシスタント・ワインメーカーのリー・リッチーさん
Ovidのワイナリー

とても貴重なプリチャードヒルの見学でした。ここだけでプリチャードヒルを一般化して語ることはできませんが、石の多い土壌などは共通していると思います。

道沿いにあったBrand Napa Valley(多分)

このあと、昼から午後も盛りだくさんのツアーです。