ナパで今、最も高く評価されているワイナリーの1つがシュレーダー(Schrader)。Wine Advocate誌で100点を取ったワインがなんと14本。Sine Qua Nonの12本、ハーラン+ボンドの10本を超えて、カリフォルニアのワイナリーとしては最多の満点をほこります。

そのシュレーダーがソノマ・コーストで手掛けるのがボアーズ・ビュー(Boars' View)。イノシシのワイナリー名に、イノシシの顔をかたどったラベルはどう考えても、近隣の巨人マーカッサンを意識しているとしか思えません。
Boars' View
2013年のピノ・ノワールの評価で見ると、Marcassinの94+に対してBoars' Viewは95点。すでに超えたとは言わなくても、ライバルと呼んでもいいのかもしれません。

ただし、価格もマーカッサン並みに高いです。


ところでBoars' Viewのワインメーカーはシュレーダーと同じくトーマス・リバース・ブラウン。畑のマネージャーはユリシス・ヴァルデス。ユリシス・ヴァルデスは、「ソノマのデイビッド・エイブリュー」と呼ばれるほどの才人。海に近い過酷な環境のBoars' Viewの開発は、この人なしでは不可能だったと言われています。

トーマス・リバース・ブラウンとユリシス・ヴァルデスの組み合わせということだと、リバース・マリーのシルバー・イーグルというピノ・ノワールも該当します。こちらだと価格も1万円台ですが、入手はなかなか困難です。

ついでにもう1つ紹介すると、ユリシス・ヴァルデスの頭文字UVを取った畑のブドウを使っているのが、もう一人の超大物オーベール(Aubert)。彼もユリシス・ヴァルデスの才能に惚れ込んでいる一人です。ほかにもポール・ホブスなど、超大物ばかりに気に入られているのですから、ユリシス・ヴァルデス恐るべしです(彼については「Grower Profile – Ulises Valdez (Sep 2015) | Vinous - Explore All Things Wine」が詳しいです)。