ロバート・パーカーが主宰するThe Wine Advocate誌で日本酒の評価記事が出たことを先日記事に書きました(Wine Advocate誌226号を発表、初めて日本酒をカバーし、最高98点)。この日本酒評価について疑惑を伝える記事をブロガーのW.ブレイク・グレイ氏が書いています(The Gray Report: A curious thing: Every Wine Advocate-rated sake from one exporter)。

この記事によると、Wine Advocateの226号が発表された当日、Taste of Sakeという、東京に本社を置き、海外に輸出する会社が日本酒のセールとして、全く同じ銘柄78種のリストを出したそうです(現在は同社のページは見られない状態になっています)。

この、the-taste-of-sake.comの情報を筆者が調べたところ、「Asia Business Consultants」という会社の「Yuusuke Kikuchi」という人が登録したことが分かりました。この人は「japanwineproject.com」も登録していますが、これらの会社はワインのインポーター「ミレジム」の関連会社です(株式会社ミレジム:会社概要)。

ミレジムの社長であるアーネスト・シンガー氏はWine Advocate誌の日本代理人で、今回の日本酒のリスト作成にも関わっています(参考:ロバート・パーカー・ワイン・アド ヴォケート、日本酒評価をスタート - ワインレポート)。

つまり、リスト作成に関わった人が今回の輸入(米国にとって)にも関わっている可能性が高いわけです。

この問題はWine Advocate誌の掲示板でも話題になっており、編集長のリサ・ペロッティ・ブラウンは以下のように書いています。
What we need to establish is if that company had access to any of the sake notes or scores prior to publication, which is a situation we take the utmost measures to avoid. Even the suggestion that this could have happened is a matter we take very seriously.

この疑念に、抵触する問題のように思えるのですが、どうなるのでしょう。レビュアーには非常に高い倫理性を求めているWine Advocate誌のことですから、きちんと襟を正す必要があるように思えます。

進展があったら続報します。