試飲会レポートの第5弾です。

これまで紹介したのは
5000円以下で買えるナパらしい良質なカベルネ「ナパ・ハイランズ」
パルメイヤーが手がけるソノマ・コーストのワイン「ウェイフェアラー」
エレガンス系カベルネの究極? 「ポートフォリオ」にうなる
最終ヴィンテージ近い「オーガストウエスト」ロゼラズと、気になるピノ2つ

アイコニックはパソ・ロブレスやサンタ・バーバラを中心にコスト・パフォーマンスの高いワインを輸入しています。試飲会では70を超えるアイテムがあったのですが、その中でも印象的だったのがサムサラ(Samsara)とメルヴィル(Melville)です。
サムサラ
この2つのワイナリーは深い関係にあります。メルヴィル創設者の息子のチャド・メルヴィルが個人のプロジェクトとして進めているのがサムサラ。メルヴィルは長いことグレッグ・ブリュワーがワインメーカーを勤めていましたが、昨年メルヴィルを辞め、今はメルヴィルのワインメーカーもチャド・メルヴィルになっています。ワインメーカー交代に伴い、日本へのインポーターも変わったのですが、嬉しいことに、全般にこれまでより1000円以上安くなっています。

現在、輸入されているメルヴィルのワインはグレッグ・ブリュワー時代のものですが、グレッグも言うまでもなく超一流のワインメーカー。どれも美味しいワインでした。

シャルドネはサンタ・リタ・ヒルズらしい、ミネラル(塩分?)を感じるタイプ。スタンダードなキュベですがこの地域のシャルドネのお手本の1つといってもいいくらいの完成度です。


メルヴィルのピノ・ノワールはスタンダードなエステートと、フラグシップのテラシズを試飲。エステートはバランスの良さが光るワイン。テラシズはリッチで深みのある味わい。ソノマのロシアン・リバー・ヴァレーで同レベルだったら2万円近くしそうです。


ただ、個人的にはピノ・ノワールはサムサラ推しです。現在ケースラー・ハークとカーガサキ(カルガサッキ)の2011年が輸入されていますが、インポーターの希望小売価格で6550円と7650円。飲んでみるとどちらも、そのレベルではありません。ケースラー・ハークは今のところ別ヴィンテージのものしか見つからなかったですが、とにかくお薦めです。ホール・クラスターでの醸造にこだわるチャド・メルヴィルのワイン、ぜひ飲んでみてください。


難しいと言われた2011年でこれだけ美味しいのですから、これから出てくる2012~2014の良ヴィンテージはもっとすごいことになりそうです。

最後はシラー。メルヴィルのシラーはWine Advocate誌で95点(そういえば上記のカーガサキは94点です)と高得点ですが希望小売価格は5500円。これはとてもエレガントなシラー。深みのある味わいで、しみじみ美味しいです。シラー苦手な人にも飲んで欲しいワイン。


一方、サムサラのシラー(WAでは92点)は、スパイシーでパワフル。さすがにシラーはホール・クラスターではないのですが15%は茎を入れているそうで、おそらくその特徴が出ているのでしょう。こちらは希望小売価格4950円と5000円を切ります。こちらはシラー好きに受けそうな味わい。タイプが全然違うので飲み比べたら面白そうです。