サンタ・リタ・ヒルズを代表するワイナリーの1つであるブリュワー・クリフトン(Brewer Clifton)の日本への輸入が終了しました。これまでワイン・イン・スタイルが取り扱っていましたが、扱いを中止するとのことです。

ブリュワー・クリフトンには、いろいろな思い出がありますから、それを思うとちょっと残念な気もしますが、実質的には大きな影響はないのではないかとも思います。

というのは、シャトー・イガイタカハの漢字シリーズのシャルドネ、ピノ・ノワールはどれもブリュワー・クリフトンの畑のブドウを使ってグレッグ・ブリュワーが作っているからです。

以前の筆者がグレッグ・ブリュワーにインタビューしたときはタカハのワインについて、次のように語っています。
――シャトー・イガイタカハのワインについて伺います。ブドウはブリュワー・クリフトンの畑のものを使っていると聞いています。
グレッグ:その通りです。

――では、ワインもブリュワー・クリフトンと全く同じになるのでしょうか?
グレッグ:ブリュワー・クリフトンは単一畑のワインです。それに対して、シャトー・イガイタカハの場合は、エモーショナルなものが先に来ます。漢字の意味から、それに合った味わいを出すのがどのワインかを決めるのです。

――そのためにブレンドする場合もあるのですか。
グレッグ:ときにはブレンドすることもあります。
「漢字ワインはエモーショナルなんです――グレッグ・ブリュワー インタビュー後編 」より

また、ブリュワー・クリフトンのピノ・ノワールは全房発酵が特徴の1つですが、以前別のセミナーではタカハの「園」については全房発酵で作っていると言っていました(今も同じかどうかはわかりません)。
シャトー・イガイ・タカハの新作ワインをグレッグ・ブリュワーが解説(後編)」より

同じセミナーでは、シャルドネのクローンについて「美夜の畑はSweeney Canyonのクローン、波紋の畑はSea Smokeのクローン、侍の畑はClone4とHydeのクローン」と語っています。ブリュワー・クリフトンの畑でみるとSweeney Canyonはマチャドの畑、Sea SmokeやHydeは3Dの畑にあるので、それらの畑から来たものと想像できます(これも今も同じかどうかはわかりません)。

ブリュワー・クリフトンのワインとシャトー・イガイタカハのワインを1対1で結びつけることはできませんが、それでもグレッグのワインがこれだけ流通しているのってすごいことだと思います。何よりも日本を愛しているグレッグのことですから、日本で彼のワインが飲めなくなったら、一番悲しむのは彼だと思います。

グレッグ・ブリュワー

今回の輸入停止とは関係ありませんが、こういう自社畑に移行するより前のワインを見つけるとこれはこれで懐かしいものがあります。






なお、復活したダイアトム(Diatom)のワインは、シャトー・イガイタカハと同じワインライフ株式会社が輸入します。