デカンター誌が2013年のカリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンを絶賛しています(「California Cabernet 2013 vintage is quite simply the finest – part 1」「California Cabernet 2013: The perfect scores – part two of our overview」)。

2013年の天候は申し分ないものでした。ただ、旱魃の影響で果実は小さく、通常よりも果皮の割合が高くなりました。結果として非常にタニックで長期熟成可能なワインが多くなったようです。リッジ(Ridge)のエリック・バウアーは「今世紀に入ってから一番タニック」だと言っていますが、一方で果実味や酸もしっかりあるため、高いレベルでバランスの良いワインになりました。

同誌は今回、40本近くのワインのレビューを掲載しており5本のワインに満点を付けています。

リッジ モンテ・ベッロ カベルネ・ソーヴィニヨン 2013
フィリップ・トーニ(Philip Togni) カベルネ・ソーヴィニヨン 2013
マクドナルド(MacDonald) カベルネ・ソーヴィニヨン 2013
ダン(Dunn) カベルネ・ソーヴィニヨン トレイラー・ヴィンヤード 2013
ドミナス(Dominus) 2013

リッジ以外は全部ナパです。また、いわゆる「山カベ」がリッジ、フィリップ・トーニ、ダンの3本と多くなっています。

実はこの中でマクドナルドとダンのトレイラーというのは知りませんでした。

マクドナルド(MACDONALD | Oakville, Napa Valley)は、ナパのオークヴィルにあり、実はかのトカロン(To-Kalon)の畑の一部を持っています。マクドナルド家は、ずっとブドウをモンダヴィに売っていましたが2010年から自身のワイナリーでもワインを作り始めたとのこと。これまでのところ、Wine AdvocateにもWine Spectatorにもレビューは載っていません。ただ、価格は500ドルくらいします。
MacDonald
写真はWebサイトからです。

ちょっと脱線しますが、実は同じようにトカロンの一部を持っていて、自身でワイナリーを始めた家族としてDetertというワイナリーもあります(Detert Family Vineyards - Homepage)。ただ、こちらはこれまでのところあまり評価は高くなく、価格もそれほどたかくありません。

話を戻してもう1つのダンのトレイラー(Trailer)はワイナリーのサイトにも掲載されていないワインです。ダンというと、自社畑のハウエル・マウンテンと購入したブドウのナパ・ヴァレーの2種類というのが、これまでの常識で、サイトにもそれしか載っていません。ごくごく限定で作っているのでしょうね。

トレイラーという名前は畑の前にトレーラーが置いてあることから名付けられたそうです。1972年にランディ・ダンが最初に植えた畑で、そのときに寝泊まりするためにトレーラーを置いたとのこと。ただ、残念ながらこの畑は2013年が最後のヴィンテージで2014年に樹を抜いてしまい、2015年に新しい樹を植えたとのこと。

満点5本の中でドミナスだけは既に2013年が日本に入ってきていますが、もう売り切れてしまっているところがほとんどのようです(実は昨日までは売っているところがありましたが、おそらくデカンター誌のを見て買った人がいたのでしょうね)。

Wine Advocate誌では2013年のドミナスは文句なく100点、このほか100点だった2010年や98+の2012年はまだあるのですが。