消費者が「オーガニック」のワインに対して、そうでないワインより高い価格を支払うかどうかを調べた結果が発表されています(Would You Be Willing to Pay More for Organic Wine? | Growing Produce)。

それによると答えは「No」とのこと。

これはフロリダ大学のIFAS(Institute of Food and Agricultural Sciences)の学生による研究で、オンラインの業者が販売したデータを元に調べたとのこと。

イタリアのトスカーナの50ワイナリーによる444種の赤ワインのデータで、購入者はイタリアと米国のコンシューマーです。ちなみにワインの31%がオーガニックで、そのうち42%がオーガニックとしての認証を受けており、さらにそのうちの24%(全体の約3%)がオーガニックとラベルに歌っています。

この研究では価格に影響しそうな様々な要素(評論家のポイントなど)を調べた結果、オーガニックかどうかは影響しないという結果になったようです。

ちなみに、以前「「サステイナブル」のワインは高く売れるのか」という記事を書いていますが、そこではサスティナブルなワインに対して1本あたり7ドルも高く払うという結果が出ています。また、「バイオダイナミック」や「ナチュラル・ワイン」という言葉よりも「サスティナブル」の方が受けがいいとなっていたとのこと。

こちらは消費者に直接調査して、多く支払うかどうかを聞いたもの。今回のはおそらく重回帰分析などでその因子の価格に対するパラメーターを計算したのだろうと想像しています。

調査手法が全く違うので、この2つの結果は矛盾するともしないともいいがたいものがあります。

個人的には、今回の調査はオーガニックとラベルに書かれたものの比率がかなり低い上、ラベルに書かれていない場合に消費者がそれを知っていたかどうかが分からないといった要素もあり、ちょっと分析としては弱いような気がしていますが。

生産者(や販売者)にとっては、オーガニックにするかどうかというのはポリシーでもありますがエコノミクスでもあるわけで、この手の調査は気になりますね。

また、日本で似たようなことを調べた結果があるのかどうかも知りたいところです。