ナパのカベルネ・ソーヴィニヨンの価格は1995年と比べて4倍にも上がっているという記事がありました(Napa Cabernet Prices Raise Concern - Wines & Vines)。
グラフ
これはVineyard Economics Seminarというセミナーでトニー・コレイアという不動産コンサルタントが明らかにしたもの。

ナパではカベルネの価格が突出しているため、他の品種は引き抜かれて、カベルネに植え替えられる傾向がかなり強まっているようです。モノカルチャーになりかねないとコレイア氏は警告しています。

また、カベルネに向かない土地までもカベルネが植えられることによって、品質が低下し、ナパの評判を落とすことも懸念しています。

現状はカベルネは不足しており、作れば作っただけ売れるような状況ですが、2008年の不況のときには、売り先に困った人も多かったのですから、またいつカベルネ余りになるかは分かりません。

似たようなことはナパほど極端ではないですが、ソノマのピノ・ノワールでも起こっていて、1995年と比べると現状の価格は3.5倍。カリフォルニア全体では1.5倍程度にとどまっているといいますからこの2箇所は突出しているようです。

全体のストーリーからするとちょっと余談ですが、ガロによるステージコーチの買収も市場にかなりの影響を与えているとか。ステージコーチは2000エーカーもある広大な畑。ガロは現在の契約を尊重するとしていますが、例えば契約の期限がきたときに更新されない可能性は高いでしょう。そのため、発表後は売りに出ているナパの畑はすぐに契約が決まったそうです。