一時はかなりのワイナリーが作っていたメリタージュ(Meritage、本来の発音はメリテイジ)が、ほとんど「オワコン」になってしまっています(Meritage – Death of a Marketing Label | Wine News & Features)。ちなみにオワコンというのは「終わったコンテンツ」の意味。ネット上でよく使われるスラングです。

A 2006 Lyeth Meritage from Sonoma County

メリタージュというのは、フランス以外で作られるいわゆるボルドーブレンドのこと。原産地呼称の問題でラベルではボルドーブレンドとは書けないため、何か用語がほしいということでMeritage Allianceという団体を作成しました。現在も7カ国375ワイナリーが参加しています。ちなみにMeritageというのはMerit+Heritageの意味の造語です。

Wine-Searcherにおける「Meritage」の検索は減る一方で、2016年は8万2000回にまで減ってしまいました。100万回を超えるメルローや1000万回を超えるカベルネ・ソーヴィニヨンとは比べ物になりません。カリフォルニア以外では有力なメリタージュを作っていたシャトー・サン・ミシェルも生産をやめることになりました。

メリタージュが振るわなくなった理由の1つは、ワイナリーがボルドー系の品種だけでなく、シラーやジンファンデルなどもブレンドしたものをレッド・ブレンドとしてつくるようになってきたことですが、より本質的には、インシグニアやオーパス・ワン、さらにはプリズナーといった固有の名前の方がブランディング上有利と考えるワイナリーが多くなったことのようです。
The prisoner (killed)
メリタージュをかなり熱心に作ってきたドライ・クリークの場合も、フラグシップは「マリナー」という固有の名前を持つワインです。

この用語が過去のものとなってしまうのも時間の問題のようです。